観たあとに、「うわぁー・・・・」と絶句する映画が好きだ。
難解、アングラ、エログロ、ナンセンス、マニアック、アバンギャルド・・・いろいろな言葉で表されるが、ここは一つ【ゲテモノ映画】と呼びたい。
洋画ゲテモノは英語なり金髪碧眼なりの雰囲気に誤魔化されてしまうが、邦画のゲテモノ具合はちょっと違う。
なんせ母国語だし、出てるのは日本人だし、慣れ親しんだ土台だ。
それが「うわぁー・・・・」と絶句せざるをえないなんて、素敵。
その抗いようの無い感じが、たまらなく「いい」のだ。
ということで、そんな【邦画ゲテモノ】をいくつかご紹介。
●【悪徳の栄え】監督:実相寺昭雄
悪徳の栄え
元はと言えば、マルキ・ド・サドのアレです。ええ。
それを実相寺がやるってんだから、狂気2割増。
この監督、最近では【姑獲鳥の夏】を撮りましたね(笑)
サディズム・マゾヒズムがうねうねうねうねと、画面にのたくったかと思うと、上流階級のたわ言が始まる。
愛というシールを貼れば、なんでもかんでも愛になる。
ただそれはとても貼り難いシールだけども。
ちなみに、一度旧宅でもレビュー書いた映画だったりします(笑)
●【ピストル・オペラ】監督:鈴木清順
ピストルオペラ
とにかく、この監督の映像美に翻弄されてほしい。
ツィゴイネルワイゼン然り、ピストルオペラ然り、美しいの一言。
和室がショベルカーでぐしゃぐしゃにされるシーンが一押し。
いいんだよ、中身がさっぱりわからなくても。
画面から匂ってくる極彩色の死臭に酔えるなんて、最高じゃないか。
クスリをキめなくても、ぎらぎらと見える幻覚を堪能できるなんて、堪らないじゃないか。
しかも合法だよ?
●【エレクトリック・ドラゴン80000V】監督:石井聰亙
エレクトリック・ドラゴン 80000V スペシャル・エディション
そこそこ有名な作品登場(笑)
ゲテモノ界の住人じゃなくとも知ってるでしょう。
何せ、主演は永瀬正敏と浅野忠信だもの。
モノクロ・ノイズ・電気・大仏。
この4点でこの映画は語りつくせる。
ずわぁんぎゅわぁんじびびびびーん。
そんな映画。
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ということで、ゲテモノ映画3本。
まあね、私的ゲテモノツートップ【日本の裸族】と【盲獣VS一寸法師】は触れなかったんですがね(笑)
悪い奴の計画をミサイルでずどーん!お決まりヒロインがしゃしゃり出てきてキャー!それをアウトサイダーな警察官が阻止ー!っていうハリウッド系バカ映画観るのもいいけど、たまにはわけわからなくなってみるのもいいよ。